「どうしたの?」
ミキナは不思議そうにホテルを見た。
そこに、明らかに貴族と見られる背の高い男がたくさんのボディーガードを引き連れ入っていく。
こちらには気付いていないようだ。
そのまま振り向かずに中に消えた。
「…やっぱりあそこは駄目だ」
しばらくしてやっと出てきたルイスはため息をついて呟く。
「え~?どうして?泊まれるのに…」
残念そうなミキナはホテルを見上げた。
「あの人知り合いか?」
ホテルからルイスに視線を移したショウが訪ねる。
「…まぁ、そんなとこ。」
まるでホテルから誰かが見てるみたいな雰囲気で物陰に隠れるルイス。
それを見たショウは噴き出した。
「ははっ、お前家出してんだもんな!そら見つかりたくないよな~」
「ルイス、何で家出なんかしたの?」
ルイスは二人の言葉に曖昧に微笑んで逃げた。
違う宿を探して部屋をとったルイス達はひとまずそこでくつろいでいた。
部屋はまぁまぁな広さで、清潔感溢れている。
ミキナはルイスにもらったあの大好きな飴を舐めていた。
「凄いなここ…水が道だ…」
窓から外を眺めるルイスは楽しそうに街の景色に見入る。
「ルイス、トゥメニス来たことないのか?」
「うん、ない。話には聞いてたけどやっぱ凄いなぁ」
ルイスが言うとショウも窓に近寄り外を見た。
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