トゥメニスに行くのを決めて早三日。

三人はその目的地についた。


行く道行く道でデイトを探したが、結局見つからなかった。



「疲れたよ。」

街についた途端ミキナが嘆く。

「ん?じゃあ宿早く見つけよう」

ショウが妹を気遣い、そう言った。


「うわぁ~さすが水の街!」


二人の会話を聞いていなかったルイスは一人のんきに街を眺めていた。


トゥメニスは、水が多い。

街の真ん中に百メートルはあるだろう巨大な噴水があり、そこから流れ出す水路を『ブルラ』と呼ばれる水上移動専用の生き物に乗り移動する。

地面の路は建物の前に少しあるだけで、人々はほとんどブルラなしでは動けないのだ。


そんな仕組みの為か、ここは水の街と呼ばれている。



「すっげぇ!噴水でかっ」

目をキラキラ輝かせてやたらとはしゃぐルイスを見たショウは、あんなに歩いたのに何故疲れないんだと半ば呆れた。


「ルイス、まず宿を探そう。ミキナが疲れたらしいんだ」

「え?あぁごめん。」


素直に言うことを聞いたルイスはキョロキョロして宿を探す。


「あれは?」


ルイスが指差した建物を見たショウとミキナは絶句した。

超綺麗な豪華な、宿ではなく高級ホテルだったのだ。



「無理無理無理無理!あんなとこ泊まる金ないぞ!」

「そうよ、私あんな豪華なところじゃなくてもいいから」

二人とも全力で否定しだしたのを、首を傾げたルイスは不思議そうに見た。


「金?あるよ」


そう言ってルイスが財布を出す。

その中身を見た二人はまた絶句した。


「おおお前そんな大金持ってどうするんだよ!盗賊に狙われるだろ!」

思わず小声になってしまったショウ。

「俺強いから大丈夫だよ。盗賊なんかには負けないし」

「そんな問題じゃないわよ」

ミキナはそう言うが、あのホテルに泊まれることを知って少しそわそわしだした。



「…あ!」



急にミキナの後ろを見たルイスが慌てた顔をしてショウの後ろに隠れた。



「ん?何だ、ルイ…」

「しっ!俺いないフリして」





.