「何でトゥメニス?俺は嫌だよ」


テントの中に、ルイスの不満そうな声がした。


「だっていっつもあそこで売買してたんだもん!一番お父さんのいる可能性が高いの!」

ミキナの可愛い声が抗議する。

「できるだけ大きい街とかには行きたくないって言ったのに」

ルイスの少し嫌そうな顔を見たショウはため息をついた。


「ミキナ、無理やりついていくって言ったんだし、ここはルイスの行きたいところに行くべきだ」

「だってルイスは行きたいところなんてないのよ!首都から離れたいってそればっかり!」

「本当にあそこからは離れたいんだよ。絶対に入りたくない」

「でもトゥメニスなら首都から離れてるわよ、ね?」

ミキナは無意識に上目遣いで膨れながらルイスに詰め寄った。

ルイスは全くひるまずにミキナを見据える。

「大きい街は…」

「なんで?」

ルイスが言い終わる前にミキナが聞く。

「………。」

「言えないの?」

「…嫌いだから」

「何それ!こっちは必死でお父さん探してるのに!」


ミキナが怒り、ルイスは困った顔をする。


さっきからこれの繰り返しだ。



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