ルイスはテントのすぐ側にいた。

胡座をかいて地面に座り、火をおこしている。



「…何だよビックリさせるな…。何してんだ?」

ショウが安堵のため息を吐きながら聞いた。

「朝ごはん食べようと思って。二人の分も作ったよ」

笑顔で焼けたパンを差し出した。

ありがたく受け取り、ミキナとショウも焚き火を囲うように座る。


「おいしい」

ミキナの顔に笑顔が広がった。

ショウもおいしそうにパンを頬張る。


「よかった」

ルイスは二人に超極上の微笑みを向けた。


ミキナはそれを見て、先ほどショウが話していたことを思い出した。


(ルイスと旅に…。いいかもしれない。強いし、頼りになるし…。でも、ルイスはそれでいいのかな?)

綺麗なルイスの顔をジッと見た。

ルイスはそれに気付いて首を傾げる。


「ミキナ?何?」

「…ルイスのね、旅について行ってもいい?」


ショウとルイスはそれを聞いて目を見開く。

すぐにショウも頷いてルイスに視線を送る。

「俺ら、さっきテントの中で話してて。それで、俺はミキナにそうしたいって言った。ミキナもそう思ってるみたいだ。」

「…でもね、ルイスが嫌ならいいよ。正直に言ってね?」


二人の言葉にルイスは黙り込む。



確かに、しばらく一緒にいるとは言った。

けど、旅まで一緒に行きたいと言われるとは思っていなかった。



「…旅はキツいよ。死ぬかもしれない。」

「…いいの。もう村もないし」

「もしかしたら、他の村とかに父さんがいるかもしれないし。覚悟はしてるさ」



ややあってルイスは、静かに頷いた。









―――こうして、三人の旅は始まった―――






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