月の国



「…やだよぉ…ミナ…」

ミキナがまた泣き出す。

ルイスはミキナの肩をポンポンと叩き、ミナをお姫様抱っこした。


「…ミナ、絶対喜んでる」

ショウがにやりとして言う。

「埋めてあげよう。墓を作るんだ」

おだんごの髪を直してやりながらルイスが言った。


 ――――――――

ミナの墓を作り、村を一周する。

生きている人はみんな逃げ出したのか、誰もいなかった。

亡くなった人の中には誰なのかわからなくなってしまった人もいた。



「…お父さん」

デイトは見当たらない。

ミキナはずっと泣きながら、その言葉を繰り返していた。

「逃げたのかな。外で二人を待ってるとか…」

「…そうかもしれない。ミキナ、村の外に行ってみよう」

ショウがミキナの手を握り、声をかける。

ミキナはしゃくりあげながら頷いた。


外に行く道の途中でも、亡くなった人が倒れている。
全員に墓は作れないから、会うたびに手を合わせた。


「お父さぁん!」

外に出て、またミキナが呼ぶ。

「父さん、いるか?」

ショウも声を張り上げて探した。



村の外を一周しても、やはりいなかった。

「お父さん…」

段々弱くなるミキナの声に気付いて、ルイスが顔を覗き込んだ。

「ショウ」

ミキナを座らせながら呼ぶ。

「ん?何だ?」

「ミキナが疲れてる。ちょっと休もう」

水筒を取りだし、水を渡した。

ミキナは素直にこくこくと飲む。


「…じゃあ、俺が背負う。父さん探さなきゃ」

デイトが見つからないからか、焦るショウ。

「…わかった」

ミキナはショウに背負われた。



またデイトを探し、歩き回る。



日が完璧に沈んだ。



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