盗賊は倒れた。
いつのまにかミキナのネックレスを盗っていたらしく、それがポケットに入っていた。
ルイスはふぅ、とため息をつくとそれを取り、窓から外に飛び出した。
「ルイス!!」
ミキナが寄ってくる。
「ありがとう…」
「うん。あ、これ」
にこっと笑いそれに返事をしたルイスはネックレスも渡した。
「あの盗賊が盗ってたよ」
ミキナはそれを見て驚く。
ルイスから受けとると、大事そうにまた着けた。
「ショウ、行こう」
「あぁ。」
三人はデイトを探そうと歩き出した。
色んなところに目を向けるが、見当たらない。
何人か倒れている人がいた。
その中にはさっきまであの家で一緒に騒いでいた友達もいる。
悲惨な光景を見るうちに無言になっていく三人。
「あっ、ミナが!」
急にミキナが叫んで走り出した。
「ミキナ!」
慌てて追いかけるショウ。
ルイスは嫌な予感がして、ゆっくりと二人のもとに向かった。
「ミナ…ミナ…しっかりして…」
ミキナがミナを抱いて揺すっている。
腕のなかのミナは固く目を閉じて、血を流していた。
爆発に巻き込まれたのだろう。
おだんごの髪がくしゃくしゃに崩れている。
「…ミナ」
しゃがんだルイスはミナの首筋に手を当てた。
ミキナが祈るような目でそれを見る。
「生きてる…けど」
この怪我では助からない。
ルイスが悲しそうな顔をしたのを見て、ミキナが泣き出した。
「ミキナ」
ショウが宥める。
すると、ミナが微かに目を開けた。
「ミナ!!」
「…やぁだミキナ…何泣いてるの?泣かないもんって…言ってたじゃない」
ミナはミキナを見てにこっと笑った。
次にルイスとショウを見る。
「…あのね、ルイス、私ね…。今日、凄くおしゃれしたのよ…」
いきなり言われたルイスは少し驚いたが、
「…凄く綺麗だよ」
と、笑顔で答えた。
「…ありがとう。好き。」
そう言ったミナは、息を引き取った。
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