「何だよお前ら!何の用だ!」
ショウが威勢よく噛みついた。
盗賊はニヤリと笑いながら答える。
「遊牧民は上質な家畜と人を持っている。荷物をわざわざ盗りやすいようにまとめてくれてたから、今だと思ってな。」
「要するにもともと狙ってたってことだな」
ばか笑いする盗賊。
「ほら、こっちに来い。」
剣を腰にぶら下げた盗賊の一人が、ショウとミキナに近づく。
「来んな!帰れ!」
ショウはミキナを後ろにやり、盗賊に蹴りをかました。
「いてぇ!この野郎!」
怒った盗賊は剣を抜き、ショウに振り下ろした。
それを軽々とかわす。
「ちょろちょろすんな!」
盗賊は怒り狂ってショウに襲いかかる。
他の盗賊達までおもしろがって入ってきた。
多勢に無勢。
明らかに不利。
ショウは一生懸命戦う。
が、一人の攻撃をかわした途端、別の盗賊の剣が入ってきた。
かわそうとするが、無理だ。
(避けきれない!)
「お兄ちゃん!」
ミキナがハッとして叫んだ。
――――――死ぬ……。
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