「あ、6時50分!」
しばらくしてショウが叫ぶ。
「おし、お前ら、始めるぞ!」
今日の誕生日会は7時までらしい。
ショウが合図を出した。
「なぁに?」
ミキナは一人きょとんとしていた。
「ふふ、ミキナ、絶対嬉し泣きするわ!」
ミナが笑いながら言うと、ミキナは「泣かないもん!」とわからないままに反論していた。
「じゃあ今からぁ~、ミキナに誕…」
ショウが言った、途中で。
ドオォオオォン!
轟音が響いた。
「えっ!?」
慌てて一斉に外を見る。
民家の一部が、燃えていた。
あちこちで爆発が起きている。
「何これ?」
「お母さん!お父さん!」
みんなで口々に叫び、外に飛び出した。
家にはルイスとショウ、ミキナだけが残る。
「…お兄ちゃん、何?何起きたの?」
ミキナは震えていた。
ショウが優しく肩を抱く。
「大丈夫だ。安全なところに行って父さんを探そう」
そう言い、外に行こうとした瞬間。
ドアが勢いよく開いて、誰かが入ってきた。
「きゃあっ」
驚いて悲鳴をあげるミキナをショウが後ろに庇う。
「ここは金目のものないのか~?」
盗賊だった。
ぞろぞろと、何人もの男が入ってくる。
「ガキが三人だ」
「女が一人いる!」
「超上質だな」
「あっちは労働力になりそうだ」
「貴族っぽいのが一人いるぞ!」
盗賊は口々に叫び、三人を値踏みする。
盗賊のリーダーらしき人が、最後に入ってきた。
顔に古い傷跡がある。
「嬢ちゃん坊っちゃん、こっちにおいで」
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