月の国



大人達はめまぐるしく明日の出発の準備をしている。

一人、おばさんが重そうに何かを抱えていた。


「手伝います」

そう言って小走りで近づいて、荷物を抱えた。

「あぁ、ルイス君だね。ミナが言ってたよ。ありがとう。」


おばさんは嬉しそうに微笑んだ。


「ミナのお母さん?」

目の前の女性に訊ねる。
たしかにミナと似ている、と思う。

「そうだよ。本当に金髪なんだねぇ。」

じっとルイスの髪を、優しい笑みを浮かべながら見る。


「はは、めずらしいですか?あ、これどこに運んだらいい?」

「あぁ、そこにお願い。」

ルイスは言われた通りに荷物を運んだ。


「ありがとう。助かったよ。」

おばさんがまた微笑む。

ルイスはあ、と思い付いた。


「あの、何か女の子にあげれるようなもの持ってませんか?」

「ん?あぁ、ミキナにあげるんだね?」

「はい。あそこの家にはお世話になったから…。」

おばさんは「ちょっと待ってね」と言うと、一度家に駆け込む。


「はいっ。これ、あの子の大好物なんだ。」

渡されたのは、可愛い小さな飴の袋だった。

「いくらですか?」

「いいよ、金なんて。助けてくれたお礼!」

おばさんは明るくそう言うとルイスに袋を押し付けた。

「…ありがとうございます」


ルイスはそれをありがたく受け取った。




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