――…チェルスの静かな、しかし響く声。
ルイスはまたも俯いたまま頷いた。
抵抗など一つもせずに、大人しく両手を差し出す。
チェルスが取り出した手錠をかけようとしたところで、ちょっと待ったとショウが身を乗り出した。
「…ルイス=セレフィア?」
金髪の少年を指差し、まさかと訊ねるショウ。
ミキナもハッとしてルイスを見た。
「…ルイスって…セレフィアが名字ってことは…」
「…お兄ちゃん、それまで言ってないの?」
ロデアが呆れたように言い、溜め息をついた。
一方ルイスは何も言わずに頷くだけ。
「…お兄ちゃんは、国王…僕らの父様の次男だよ。だから元第二皇子。
僕は三男だから元第三皇子。
けど元第一皇子をお兄ちゃんが殺したから、お兄ちゃんは今は第一皇子だよ」
一気にそこまで話したロデアは、最後にルイスを冷たい目で見据えた。
もう誰とも目を合わせようとはせず、少年はただ小さく唇を噛み締める。
「だからあの貴族共はルイスにあんな態度してたのか…」
ただの貴族出身の少年に上の階級のボスレアが様付けをする筈がない。
不思議に思ってはいたが、そんなこともうすっかり忘れていた。
それを、こんな形で知ることになるなんて。


