月の国


「………人殺し?」


嘘でしょ、と呟き繰り返したミキナに、ルイスは目を伏せただけで反応しなかった。

ショウは険しい目付きになってルイスとロデア、更に自分達を囲むチェルスら兵士を見回し、ピクリと眉を吊り上げる。


「そうだよ。人殺し。ルイスお兄ちゃんは人を殺した。しかも国の重要人」

「嘘よ。ルイスはそんな人じゃないもん!」

「本当だよ。ね、お兄ちゃん」

「……………………。」


話を振られたルイスは、俯いたまま頷いた。

本人に肯定されて、ミキナは目を見張ると泣きそうな顔をする。


「そんな…ルイス」

「その様子だと何も言ってないみたいだね」

「…うん。隠してたんだよ、二人が優しいのをいいことに。

ごめんね、ミキナ、ショウ」


いつもとは違う笑顔を向け、ルイスは二人に謝った。

さっきからショウは何も言わないし、ミキナはそんな兄にしがみついて震えている。


そんな中もう会話はないのだろうと判断したのか、チェルスがずいと前に歩み出た。




「…さて、と。話は終わりましたね?じゃあ…。

貴殿をセレフィア国元第一皇子殺害の容疑で、逮捕致します。


……ルイス=セレフィア様」