月の国






「……………は?」






――…その場に長い、永い沈黙が訪れた。


やがて訳がわからないとばかりに周りの兵士達を見回し、ショウが間抜けな声を出す。



「な、今何て?お兄ちゃんて…誰が」

「その人だよ。僕らはルイスお兄ちゃんを探してたんだ」


にっこり笑ったまま囁き、ロデアはルイスを真っ直ぐに見つめた。

当の本人は困ったように、…笑っている。


「…見つかっちゃったね。久しぶり、ロデア」

「うん。相変わらずだね、お兄ちゃん」

「そう?お前は背が高くなったよね」

「ちょっと見ない間、に?」


両者ともにっこりと笑いながらの会話。

しかしその間では冷たすぎる空気が流れている。


否、…ロデアから、のみだ。



「る、」

「さてと。見つかったからには大人しくついて来るよね?」


ミキナが何か言いかけたのを遮り、ロデアがなおも笑顔でそう口にした。

ルイスは笑顔を少し違うものに変えて頷く。


「…もう、十分だよ。観念する」

「そう、よかった。これ以上人殺しに国を歩き回られたら困るところだったしね」

「……そう、だね」


弟の冷たい言葉に目を伏せ、兄は同意した。


ミキナとショウは訳のわからないまま二人を見ていたが、そこでやっと反応する。