「あっ、お兄ちゃーん!」


見覚えのある人物、それはショウだった。


気付いたショウはみるみる内に顔に笑顔を広げ大きく手を振る。



「ミキナ~っ!ルイス~っ!」


やがて目前で馬を停めてもらいそこから降りたショウは、二人を思いっきり抱き締めた。


苦しいよぅ、とか言いながらも嬉しそうなミキナ。

そして彼女とは違って固まって動かないルイス。


「いやぁあぁ、探したぜ!見つかってよかった!やべっ、俺泣きそう」

「あはっ、ほんとによかったあ!お兄ちゃ~ん」

「よしよしミキナ~。ん、どうしたルイス?感動して固まったか??」


ミキナの茶髪を撫でてやりながら、ショウは反応がないルイスの顔を覗き込んだ。

ハッとしたルイスはにっこりと笑い、首を振るとショウから一歩身を引く。


「?ルイス??」

「感動の再会は終わった?」


不意にショウを乗せていた馬を操っていた小さな体が、ひょいと降り立ち声をかけた。

振り向いたショウはニカッと笑って「おう!ありがとな!!」と親指を立てる。



「それはよかった。でもこっちも感動の再会だね」

「…え?」


ショウの顔から笑顔が消えるのと同時に、ザッと集団が三人を囲んだ。

フードを外した少年、ロデアはにこりと笑って口を開く。






「…ね、何か言いなよ。



 …………お兄ちゃん」