そんな会話をして食べ終わると、宿のおばちゃんに一旦出ると伝えた。

またいつでもおいで、と優しく言うおばちゃんに、二人とも笑みを向け荷物を持ちバイバイと手を振る。


「おばちゃん優しかったねー」

「だね。俺あのおばちゃん好き」

「あたしも♪」


ほのぼのしながら歩く二人。


すれ違う大人が微笑ましく自分たちを見ていることにも気付かず、ルイスとミキナはマリナスを後にした。



「リゼルクにいるのかなー、ショウ」

「いたらいいね」

「いなきゃ困るけどな」


そう言って苦笑いするルイス。

ミキナはそんな彼を見ながら、クスクス笑っていた。


「ルイス、ありがとねっ」

「え?」

「ルイスがいなかったら、あたし泣いちゃってたと思うの」

「あはは、確かにミキナ泣きそう」

「ひどっ!せっかくお礼言ってるのにぃ~」


ふざけあいながらも歩みを止めない二人。




「あれ?何あれ」


しかし町から少し進んだ場所で、この少女の言葉で立ち止まることになる。


ミキナが指差すのは自分たちの正面にある集団。



高そうな装飾を付けて馬に乗って、深くフードを被っている。



「………え」


それを見た瞬間、ルイスの動きがピタリと止まった。

しかしミキナは気付かず、逆にその集団の一人の後ろに乗る見覚えある人物に気付く。