「紛争、終わったみたいだね」


翌朝、マリナスの宿のある一部屋。


そこの窓から外を眺めるルイスが呟き、ミキナはひょこひょことその隣に向かった。


「ほんとだぁ。誰もいないね。昨日はいっぱい人がいて戦ってたのに」

「怪我人とかいるんじゃないかな。やめればいいのに…」

「痛いだけなのにね」


眉を下げ言うルイスにミキナも同意する。


そんな彼女を見下ろしふにゃっと表情を崩すと、ルイスはミキナの頭を撫でて朝ごはんに行こう、と扉を指差した。

頷くミキナの頬は少し紅い。


気付いているのかいないのか、ルイスはそのまま彼女の手を取り部屋を出た。


食堂でサンドウィッチを頼み、しばらく待つ。


「ねぇ、ルイス」

「ん?なぁに??」

「やっぱり、ここにはお兄ちゃんはいないし外に出よう?

紛争のこと知りたいなら、お兄ちゃんと合流してから調べに来ようよ」

「う~ん…。確かにそうだね。ショウがいないと変な感じだし」


ミキナの提案に少し考え、やがてルイスは彼女の言う通りにすることにした。

サンドウィッチが来ると嬉しそうに頬張り、二人でショウの話をする。


「寂しくて泣いてたりしてね」

「あはっ!ないない、多分走り回ってるよ!」