チェルスが見たロデアは笑っていた。
とても、嬉しそうに。
新しく友達が出来たのが嬉しいのか、それとも……。
「今その人と妹探してるんだよね?会いたいし手伝うよ!」
「おっ、本当か?ならアテもあるし早く見つかりそうだな!よかったよかった!!」
ショウはニカッと白い歯を見せて笑うとロデアと肩を組み歌い出した。
上機嫌なロデアも一緒になってそれに倣う。
それらを見たチェルスはにっこり笑って彼らに言った。
「それならば準備をして明日に出発しましょう。今日はもう遅いですから、外に出るのはやめた方がいいでしょう」
「あぁ、そうだなぁ~。あとお前ら、あの馬どうにかした方がいいぜ?」
同意してから注意するショウ。
チェルスとロデアはキョトンとして首を傾げた。
「何がですか?」
「あんな装飾付けて堂々と放置してたら盗賊に盗られちまうだろ?」
「盗賊っ!?」
ビックリして大声をあげるロデア。
それにビックリしたショウも目を丸くした。
「おぉお何だロデア」
「盗賊なんかいるのっ!?」
「知らねぇのか!?お前どんだけ世間知らずなんだよ!」
「貴様ロデア様に失礼な!」
「うひぇあぁスミマセンッッ!!」
チェルスに剣を抜かれショウは直ぐ様謝った。
土下座するその何とも無様な姿にロデアが笑い出す。
出発は、明日。
それが引き起こす結果を、ショウはまだ知らない──…。


