「えっと~、マリナスはこっちか!南、南…。」
荒野みたいな景色のそこを歩き、ショウはブツブツと『南』をやたら呟く。
「あぁ~…。一人は寂しい…。ミキナぁ…ルイスぅ…。」
よほど二人に依存しているのか、悲しそうにとぼとぼ歩みを進めていたショウはふと足を止めた。
「……………?」
なんだ、アレ。
目の前には豪華な装飾付きのいかにも金持ちが持っていそうな馬。
しかもそんなのが何匹もいる。
「おいおいこんなとこに放置して盗賊に盗られても知らねぇぞー」
そんなショウの言葉に反応したのか、馬が一匹ヒヒンと鳴いた。
すると、そばにあったこれまた豪華なテントから人が出てくる。
「何だまだ餌ほしいのか?さっきやっただ…ろ…」
「「…………………。」」
ショウと出てきた人物の目が合う。
「………ども」
とりあえずショウは挨拶をかましといた。
「………あ、どうも」
相手もペコリと頭を下げるとまた中に戻って行く。
しかしすぐに出てくると、いきなりショウに向かって怒鳴った。
「……貴様何奴!」
「……いや、遅くね?」


