「……ン―。この村にはいねぇなぁ」
リゼルクの村のど真ん中。
広間らしいそこに何故か仁王立ちしているショウが唸りながら溜め息をつく。
どうやらもう村中探し回ったらしい。
物凄い体力と気力……といいたいところだが、ただ単にリゼルクがそんなに広くなかっただけだったり。
「やぁ―っぱりマリナスか?マリナスなのか?まさかのマリナスなのかあぁ!?」
めちゃくちゃ叫び、ショウは喚いた。
マリナス、マリナスとやたら連呼していると本当にそうなような気がしてくる。
………本当にそうなのだが。
「よぉ~ッし決めたあぁ!俺は行くぞマリナスへ!」
何やら決意らしきものを固め、拳を突き上げたショウは意気揚々と歩き出した。
「あ、やべ。宿屋のオバチャンにやっぱ泊まらねぇって言わねぇと」
というワケで一旦リターン。
猛ダッシュで宿屋へ行き、手短に伝えるとオバチャンは快く送り出してくれた。
なんかオバチャンとめちゃくちゃ仲良しだ。
ショウは好感度MAXのオバチャンとの別れを少々惜しみながらも、リゼルクの村を後にした。