子供───ロデアの質問に、従者は少し緊張した表情を見せた。


しかし、すぐに取り繕う。



「えぇ、そうですよ。これはつい最近起こった小規模なものです。」





────マリナスとリゼルクの紛争は、もうかなり長く続いている。




しかしロデアは納得したのか、ふーんと頷くとその紫がかった緑の目を細めた。



この国には珍しい金髪に、少し赤が混じった髪色。



笑うと愛嬌のある可愛らしい顔立ち。







「こーいうところに隠れたりはしてるのかな?」






そう呟く彼の目は、子供とは思えないほどに憎しみに染まっていた。




話した従者の後ろには、何人もの兵士らしき武装した大人がいる。





「探してみますか」


「…うん。そうする。この怖い戦いが終わったらね」





ロデアはにこっと笑うと馬を上手く操り、後退した。



従者や兵士はそれに従う。




どうやらこの子供が一番偉いらしい。






「いたらいいなぁ。お兄ちゃん♪」






この少年から、大波乱が生まれる――…。






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