~?目線~

「はぁ…はぁ…」

腕の中に愛しい我が子を抱え、必死に足を動かし、森の中を走る。

「待てぇ!!!」

後ろからは追っ手が迫ってきている。

私は草影に息を潜め、身を隠す。

早く逃げなければ…頭はそう急かすが体は言うことを聞かず、足が震える。

「…しっかりしなくては…」

そう自分に言い聞かせ、立ち上がる。

そのまま一気に森を駆け抜ける。

すると、ふと目の前に道場のような立派な建物が建っていることに気がついた。

私は我が子をその道場の門の影に隠した。