月の丘

その後は、二人とも何も話さず、ただ空を見上げて少し時を過ごす…。



子供の私には、交換したタイピンと髪飾りの存在が何だか大人の世界への第一歩に感じて…

少しドキドキした…



「さてと…。」



私は、わざわざそう口に出して、立ち上がった。


「紗耶香ちゃん、帰るの?」



との、勇からの質問に…


「お父さん達に、バレたら怒られちゃうから…。」



そう言って、ゆっくりと勇に背を見せ、歩き始めた。



そして、私はいつも通りベッドに入った。