私の頭の中には…

何年も前に一度会ったきりだったが…

−−勇の事しか無かった−−


一度会ったあの日から、二度と会うことは無いが…

何故だろうか、何年も経過した今になっても、綺麗な記憶として残っている……



記憶の中だけの恋愛こそ、綺麗な形で残るものは無い…。



すべては、私がもう少し大人になってから、きちんと理解出来る事だった。



私は、静かで穏やかな光を持つ丘を捨て、人口の光が激しくまたたく都会という荒れ地に進んだ…。



15歳の選択だった……



私は、友と離れ一人全寮制の高校へと進学したのだ…。



目的があった訳では無い、ただ”ウザイ”あの町を遠く離れたかったのだ。