月の丘

昼も夜も行く時もあったのに…



彼は同じように、光の空間が好きだったはずなのに…



私はあの丘で勇に会うことは二度と無かった。



丘の上の特等席は、やはり私だけのモノに自然となることになった…


何故他の子供達が近寄らないかというと、私の家の反対側の丘のふもとには、大きな墓地が広がっている。



そして、それを囲むようにうっそうと木がはえていて…

こことは正反対の、暗い場所!



大人達も、子供達に”子供だけで近寄らない事”などと言っている。



私以外の子供達は、みんな学校より山の下に向かって住んで居て、好むとこのまざるとに関わらず、山を上がり丘のふもとに来るのは、私だけという事になる…。