勇と会ってから、私はしばらくあの丘に行くたびに、彼の姿を一度は無意識に探す…。



もちろん、一人で自然の音の中で光に包まれる事が目的だったのだから、偶然勇に会ったのは、単なるアクシデント!



だから、本来なら探す必要もないのだけれど、丘に着くと必ず、周りを大きく見回す癖がいつの間にかついている。



しかし、彼とその場所で再び出会う事はなかった…。



正直まるで、夢か幻かと悩んだ時期もあったほど…。



しかし私の手元には、確かに彼は存在したという証拠がある…。



時々、箱から出して確認してみる宝物…。



夢で無かったと、自分に言い聞かせる様に…。