僕らの恋がはじまるまで

ーキーンコーンカーンコーン



4時間目終了のチャイムが鳴った。



「愛未~ごはん食べよ!」



「うん!でもわたし、飲み物忘れちゃったから自販機に買いに行ってくるね」



先食べてて!と修学旅行の班別行動のグループで仲良くなったかなちゃんとえりちゃんに言って、わたしはお財布を持って教室を出た。



お弁当をゆっくり食べる時間がなくなっちゃうから速足で歩く。



自販機は学食の前と中にあって、わたしの飲みたい果汁いっぱいの桃ジュースは中にしか売っていない。



わたしはざわざわする学食の中に入って、並んでいる人たちの一番最後に並んだ。



そして一歩一歩進みながら、周りを見てみた。



そこにはテーブルに座る生徒たちと食券を持って並ぶ生徒たちでいつもと変わりないように見えたのだけれど……



正面に向く前にわたしの視線は止まった。




「真波くん……?」



あれは間違いない真波くんだ。



でもそこにいるのは真波くんだけじゃない。彼の隣には見たことのない綺麗な女の人と一緒だ。



二人は楽しそうにごはんを食べながら、話をしていて。



真波くんは無邪気に笑いながら、彼女の頭を優しく撫でていた。



……真波くん、彼女いたんだ。



全然知らなかった。



真波くんに片思いして浮かれてた自分が惨めになった。



もういいや、こんな気持ちじゃお弁当も食べる気になれないからジュースもいらない。



わたしは並ぶ列から飛び出して学食を出た。



走って、走って誰にも目のつかないところに。