僕らの恋がはじまるまで

放課後。



中庭の掃き掃除を終えて、同じグループの子たちと一緒に教室に帰ってくると、男子3人で話す真波くんの姿があった。



かばんの中に教科書や食べれなかったお弁当の入ったバッグを入れて教室を出ようとした時……



一瞬、バチっと真波くんと目が合った。



彼は喋っていた男子たちに手を振っていて、わたしはそれを横目で見ながら教室の後ろのドアから廊下に出た。



すると前から真波くんが出てきて、「竹内、何かあった?」と聞いてきた。



「…………」



何かあった?じゃない。



わたしはあなたに失恋したんだよ。



あの学食での光景が頭にこびりついて離れなくて困ってるんだよ。



いったいどうしたらあの消し去りたい光景が忘れられるの?



「おい、竹内?ちょっと聞いてる?」



もうやめて……。




「お願いだから、もうわたしに話しかけないで。



わたし、もう……真波くんと話したくない」



それだけ伝えると急いで走って逃げた。



「は?なんで」という真波くんの声が聞こえたけど、わたしは振り返らなかった。



なんでじゃないよ。



二度とあんな光景なんて見たくない。



真波くんがあんな優しそうに彼女を見つめる姿なんて



あんな愛しそうに頭を撫でる姿なんて絶対みたくない。



「……っ」



昼休みに散々泣いたはずなのに、また涙が溢れてきていた。



でも今度はもうそんな涙なんてどうでもよくて拭わずに、家までダッシュして帰った。