僕らの恋がはじまるまで

「……っ」



階段を上って、上って、開かない屋上の階まで行くと座り込んだ。



止まらない涙を何度も制服の裾で拭うけど、全然止まらない。



バカだな、わたし。



よくよく考えたら、今日の夢が正夢になんかなるわけないし



それに夢って逆夢になるって言うし



あの幸せな夢は今日、わたしの恋が終わることを示す予知夢だったのかもしれない。



そんなことにも気づかないで浮かれてた自分は本当に大ばかだ。



真波くんのこと、諦めたくないよ。



でも諦めたくないとか言ってる場合じゃない。



真波くんには彼女がいるから諦めなくちゃいけないんだ。



わたしの真波くんに対する気持ちなんて関係ないんだ……。



昼休みが終わるチャイムが鳴ると、わたしはハッとして立ち上がってもう一度涙を拭って階段を下った。



「絶対、自分ひどい顔してるんだろうな」



そんな独り言が小さく響いた。



でもかなちゃんとえりちゃんも心配してるだろうから戻らなくちゃ。



わたしは自分の教室の前まで歩いていくと、一度足を止めてぎゅっと目を一瞬つぶってからドアを開けた。



「愛未!ちょっとどこまでジュース買いに行ってたの?」



「愛未ちゃん!私たち心配してたんだよ!



ってもしかして泣いてた?目赤いよ?」



ドアの開く音を聞いて、あたしに気づいた2人は急いで来てくれた。



やっぱり泣いてたのはバレちゃったか。