「橘さん、日直代わってくれない?今日日代さんが風邪で休んじゃって」


教室につき、自分の席に座ろうと窓際まで歩いていたら既に教室にいた担任の先生に声をかけられた。


「はい、構いませんよ」


「ありがとう!じゃあ今日はよろしくね」


面倒事を引き受けてくれて良かったと言わんばかりのご機嫌な様子でプリントなどを整理し始める先生。


きっと今彼女の心では私は面倒事もすんなり引き受けてくれるいい人、となってるに違いない。


だけど私はあいにくいい人の枠には入らない。


日直の仕事を引き受けたのも、ただ単に家に帰りたくなかったからだ。