その声に弾かれる様に顔を上げると、駆け寄ってきてくれているランスロット王子の姿が目に映った。


視界がぼやけていく。



「ランスロット殿下!?」

「彼女は僕の友人だ」

「も、申し訳ございません!! そうとは知らず、大変失礼致しました!!!!」



さっきの私よりも深く頭を下げる守衛さん。


私みたいなのが来れば不審者みたいな扱いを受けるのはしょうがない事。


それなのに申し訳ない事をしてしまった。



「いや、いいんだ。 何も伝えていなかった僕にも非はある。 だから頭を上げてくれないか」



守衛さんに優しく伝えると、ランスロット王子は私の目を真っ直ぐ捕らえた。


今朝の出来事な筈なのに、暫くまともに眠れていないんじゃないかと思うくらいやつれた顔をしている。


手を引かれ、敷地内へと足を踏み入れた。