「エヴァ!? ちょっと、ヤダもう、どうしたの!?」



涙が溢れた。


自分の存在が嫌で、意気地のない自分が嫌で……自分自身に嫌悪した。



「ねぇ、ジーナ……絶対破っちゃいけない約束があって、だけど、その約束を破らないと大切な人を守れなかったらっ、どうする?」



ジーナはすぐそばの空いている椅子に腰かけると、私の手をギュッと握った。



「私は約束破っちゃう」

「でも……後悔、しない?」

「私はエヴァやブルーノを守れなかった方が後悔する。 エヴァは違うわけ?」



ジーナは最後おどけた口調でそう言った。


また涙が零れた。


違わない……守りたい……あの人が泣いてるところなんて見たくないっ、悲しんでるところなんて見たくない__っ。



「私行かなきゃっ__!!」



ジーナは「よく分かんないけど、行ってらっしゃい」と言って送り出してくれた。


学校を出て全速力で走った。


パパ、ママ、ごめんなさい……そう何度も心の中で謝った。