夢見のさだめ

「ありがとう、エヴァ」



名前を呼ばれたのは初めてじゃないのに、ドキッとした。


なんか顔が熱い。



「私で良ければいつでも話し聞くから、一人で変な方向に考え込んじゃダメだよ?」

「もし困った事があったら、エヴァに相談するよ。 エヴァも困った事があれば相談して。 それこそ僕なんかじゃ頼りにならな__」



ランスロット王子の唇に触れてしまいそうなところで人差し指を止め、言葉を遮った。



「その“なんか”っていう口癖はダメだよ。 頼りにしてる人に対して失礼でしょ? 私は頼りにしてるんだから」

「ははっ、前にも同じ様な事言われたね。 ごめん、気を付けるよ」

「私もダメなところいっぱいあるから、気になったところがあれば遠慮なく言ってね?」

「分かった」



膝の上にのせていた手に、ランスロット王子の手が重なった。


名前を呼ばれた時以上のドキドキに、心臓がおかしくなってしまいそうだった。



「エヴァ、本当にありがとう。 こんなに胸が温かくなったのは久しぶりだ」



私も、胸がポカポカしてる……そう伝えるには、今の私にはまだ余裕がなかった。