夢見のさだめ

私は花壇の前にかがんで、ハサミで花を一本切り取った。


その花を持ってランスロット王子のところへ足を向けた。


ランスロット王子は驚いて顔を上げた。


前髪の隙間から見える瞳。


驚きながらも優しさを残している彼の瞳が好きだ。


かがんで目線を合わせた。



「プレゼント」



そう言って花を胸ポケットに差し込んだ。



「これ……」

「セラスチウムっていうお花だよ。 花言葉は色々あるけど、その中に才能って言葉があるの」

「才能……」

「そう、才能。 ドミニク王子にはドミニク王子の、ランスロット王子にはランスロット王子のいいところがある。 だからどんな時も気後れしたり、遠慮したりする必要なんてないと思う。 って、偉そうな上に気の利いた言葉一つ言えなくってごめん」



ランスロット王子は胸元の白い花びらに触れると、口元を緩めた。