夢見のさだめ

手をギュッと力強く握られ、ランスロット王子の顔を見上げた。


凛々しく熱い眼差しのランスロット王子。



「僕が今頑張れているのはエヴァの存在があるからだよ。 頑張るきっかけを作ってくれたのはエヴァだけど、そんな僕を焚き付けたのはドミニク、君だよ。 けど、今僕が頑張っているのは王位を狙っているからではない」

「なっ__だったら何のためだよ!? 王の座を狙っているからこそ、政務に熱を入れているのではないのか!?」

「自分が何を望み、何をしたいのか……分かったんだ」



ランスロット王子は私を見下ろすと、優しく微笑んだ。


何度も見た事がある、温かい笑顔。


私まで自然と笑顔になる。



「僕は、大切な人たちを守りたい。 愛する人と未来を歩みたい」

「それは王位を望まない理由にはならないだろう!?」

「なるよ。 僕は自分の手から溢れる者たちを気に掛けるだけの余裕も器もない。 自分の事で精一杯で、今以上に視野を広げられないだろう。 だがドミニクは違う。 君の瞳の先には僕には想像もできない程の人々が映り、その人たちの為にいったい何が最善なのかという事を判断する聡明さ、決断する強さを持っている。 僕は幼い頃からそんな君を尊敬している。 将来僕はドミニクの補佐的位置につくのだろうと何となく思っていた。 けど今は何となくではなく、自分の意思でそうしたいと思っているよ」



いつも控えめなランスロット王子がこれ程はっきりと意思表示をするのはやはり珍しいらしく、ドミニク王子だけではなく、ロッドさんとジェーコブさんも驚いた顔をしている。