「ゴホンッ!!」



甘い空気を壊すかのような咳払い。


顔を向けると、恐ろしい笑顔を浮かべたドミニク王子が腕を組み、仁王立ちしていた。


その後ろにはにこやかな顔をしたジェーコブさんと、いつも通り怖い顔をしたロッドさんが立っていた。



「私のところに顔を出さないで好き勝手とは、良い度胸しているな」



うわー……笑顔が引きつってる。


これは相当怒ってるな。



「あんなに女性に囲まれてるところ、ご挨拶なんて伺えませんよ」

「学校では図々しくも大きな声で私を呼んだだろう。 いつまで経っても君がこないから、散々な目に遭った」

「学校とは勝手が違います。 っというか、私がいなくても問題ないでしょう? 学校ではいつも上手にかわしてらっしゃるじゃないですか」

「学校以外で私に労力を遣わせる気か?」



そんな事知らないよ!!


本当、この人の自分勝手さは凄い。