ランスロット王子の顔が真っ赤になった。



「嬉しかった」

「……僕が変わりたいと思えたのはエヴァのおかげだよ。 そのエヴァの一番傍に居られる男になりたいって思った。 初めてだったんだ……自分から何かを望んだのも、欲しいと思ったのも……」



熱のこもった瞳で見つめられ、顔がカッと熱くなった。


今度は私の顔が真っ赤かもしれない。



「エヴァ……好きなんだ。 僕なんか、男としてまだまだ頼りにならないかもしれないけど、傍に居てほしい」

「いくら貴方でも許さない。 私の大切な人の事を“なんか”なんて言うなんて」

「それって__」

「私も大好き、だよ__っ」



笑ってる筈なのに涙が溢れた。


流れる涙をランスロット王子は優しく拭ってくれる。


次は私の顔をランスロット王子の手が包み込んだ。


おでこが触れ合い私たちは、同時に小さく声を漏らして笑った。



「僕も泣きそうだ」

「もう泣いちゃえばいいと思うよ?」

「あはは、駄目だよ。 勿体ないから泣かない」

「何よそれ」

「エヴァの顔を、一分一秒でも長く見ておきたいから」



突然の甘い言葉に涙はピタッと止まってしまった。


とんでもなく幸せな夢を見ている様な気分だった。