「ご、ごめん、エヴァ……」



ランスロット王子は申し訳なさそうに謝ると、俯いてしまった。


私はランスロット王子から手を離し、足ではステップを踏みながら彼の顔を両手で包み込んだ。


するとランスロット王子は私の腰に手を添えた。



「暫くちゃんと見てなかったから、ちゃんと顔が見たい」



私がそう言うと、ランスロット王子はゆっくり顔を上げた。


少し長めの髪の毛を耳に掛けた。


こんなにじっくりと顔を見たのは初めて。



「エヴァの事になると、上手くいかない事ばかりだ」

「え……?」



あまりにも切ない笑みに、なんだか泣きそうになった。



「学校の舞踏会……本当は僕がエヴァを誘いたかった。 ドミニクと一緒に居る所を見て、頭の中が真っ白になったんだ。 けど自分に自信がなくて、一歩踏み出せなくて……どうにか自信をつけようとして……」