夢見のさだめ

「出来る事なら私も帰りたいんですけど……」

「それはそうですよね。 変な事を言ってすみません。 貴女をお誘いすると言い出したドミニク殿下を、我々は止められませんでしたので、少しばかり責任を感じております。 ドミニク殿下の我儘を聞いて下さり、ありがとうございます」

「いえ、言いだしたら聞かない方でしょう? 大変ですよね」



ジェーコブさんが小さく笑った。


すこし場が和み、身体の緊張がほぐれた気がする。



「もしお困りの事がございましたら、遠慮なく仰って下さい。 こういう場は不慣れかと存じますので」

「不慣れどころか全くどうしていいのか分かりません。 ですから、お心遣い大変感謝致します。 もしもの時は宜しくお願い致します」



ジェーコブさんはいつも笑顔で話し易い。


本当のところは何を考えてるのか分からないけど、こうして気遣ってくれるのはやっぱり嬉しい。


会場に入って、私は目を疑った。


学校の舞踏会なんて目じゃないくらい豪華だ。


人も飾りも、ドレスも、何もかも。


分かってた事だけど、場違いすぎる。