「ただいまー」





「陽輔!おかえり!!‥‥あれ?咲姫が迎えに行ったと思ったんだけど‥‥」





「あー、来てくれたんだけど、なんかやっぱコンビニ寄りたいから先行っててって‥‥」





「あら、そう‥‥」









































「‥‥あ‥‥咲姫ちゃん‥‥」







「‥‥そんなことない、綺麗ですよ。」







「‥‥え、」








「私はあなたのその顔がずっと見たかった」










咲姫は表情を変えずに投げつけるように言葉を放った。








「あなただったんですね、兄の元カノって。」







「‥‥‥‥なんで‥‥」








「お兄ちゃんを振ったあとは‥‥翼ですか。」










「え‥‥翼くん‥‥?」









「‥‥どーして‥‥」







咲姫の顔が無表情から少しずつ変わり始めた気がした。








「どーして私の大切な人ばっか取っていくんですか‥‥」







「‥‥咲姫ちゃん‥‥?」








「あの時だって、私が先に翼の元へ駆けつけていたら‥‥ずるい‥‥」








「‥‥どーしたの‥‥」







私は立ち上がり、咲姫の肩を触れようとした。







「触らないで!!!!」







咲姫の声が響くように風が強く吹いた。









「私には、お兄ちゃんと翼しかいないのに‥‥」








咲姫は震える体と同時にさっきの表情とは考えられないくらいの目つきで私を睨んだ。




















「私はあなたを許さない。」
















さっきの心臓の違和感が、痛みに変わる瞬間だった。