凛子さんを送り届けたあと、


俺は凛子さんと出会ったあの橋を通って帰りたくなった。





月光で照らされた川に映ったのは




母親ではなく、今は凛子さんだった‥‥。















「‥‥大事な人が‥‥映るのかな‥‥」






自然と笑がこぼれる。
























「私は映ってない?」




後ろから聞き覚えのある声がした。
























「咲姫‥‥」






「さっき見ちゃった、伊藤さんのお姉さん。すごい綺麗だね。」






「ハッ、お前はよく見てるな」





「幼なじみだもん」





「‥‥そーだな‥‥。」






「‥‥7個も上なんだよ?」







「‥‥え?」








「7つも上の人なんだよ?向こうも現役の男子高校生に迫られてちょっと舞い上がって遊んでるだけだったらどーするの‥‥」







「‥‥凛子さんはそんな人じゃないよ‥‥」







「‥‥7年前にちょっと会っただけの人でしょ?」