「ジン…」



「あ…?」


 私の大好きな人が、その大好きな瞳で私をみる。


「ジンが好き…。だいすき…。」


  いつだって私の心を埋め尽くすのは、ジンで。

 ジンの行動一つ一つにドキドキする。


ジンの瞳も、鼻も、唇も。すべてがいとおしくて、いつまでも触れていたい。

  
 ジンと過ごして。愛し合って。こうやって抱き合ってねて。一緒にご飯を食べて。一緒にお風呂に入って。
 
  家族をつくって。

 そうやって過ごしたい。

 私がおばあちゃんになっても、ジンに愛してほしいし。ジンがおじいちゃんになっても愛したい。
 そうやって年を重ねていきたい。

 何歳になっても『愛してる』そう言って、キスをして、抱きしめて。

 いつまでも、そうやって暮らしていきたかった。


 でも、私には無理みたい。

 ジンと一緒にいるのも、家族をつくるのも、しあわせになるのも。

 
 私がここを出ていったのは、ジンのお兄さんへの償いもあったけど。
それ以前に、海外の病院へ行くためでもあったの。

 初めて、ジンが海に連れていってくれたとき。私、ジンにいったよね…

『もし、もし私が…ジンの側からいなくなったらどうする…?』
 って。

 その時、ジンは
  

 『…見つける。それだけだ』って言ってくれたよね…。


 その時ね、凄く嬉しかったの。

 でも、それと同時に。凄く胸が苦しかった。
  
 私ね、ミオと仲良くなったときに、一度学校で倒れたの。
  

 その時、なんかおかしくて。
それで、病院にいって検査してもらったの