「あっ」
小物売り場にきた私が気づいたこと
「あのキーホルダーもってる?」
前に、ここに二人で来たとき買ったキーホルダー
「あぁ。」
そういって、バイクのキーを私に見せるジン
たしかにそこには私があげたキーホルダーがぶらさがっていた
つい、ニヤニヤしてしまう
あっ、
「これ、かう…」
手にとったのは、小指につけるシンプルなペアリング
「これは俺がかう」
横からのびてきたジンの手を瞬時にはらう
「もう!私が買うの!ジンの誕生日プレゼントなのに…」
何故か悲しくなる…。
いつも私より一枚上手なジン
今になって、ほんとにジンと釣り合っているのか不安になる
チュッ
そんなリップ音と共に、頬に残る感触
慌ててジンを見れば、嬉しそうに目を細めている
「じゃあ、ここにはめるのは俺が買ってやる。」
私の左の薬指にそっとキスをおとすジン
「いつになるかわかんねぇけど、それまで待てるか?」
「うんっ…まつ、ずっとまつっ…」