魔女に恋した王獣




「もう、お前を離してやれねぇ。」


「嫌だって泣き叫ばれても、お前を離すのはもう嫌なんだ…」


 切なそうに目を細めるジン。

「お前がいなくなって、俺が俺じゃなくなった…。」


「お前に会いたくて会いたくて仕方ねぇのに、お前はどこにもいなくて。そしたら、マオって奴がお前と連絡とってるし、俺には教えてねぇのになんでそいつがしってんだよって嫉妬した…。」


   かわいい…。

「こんなの全然俺らしくねぇのに…」


「ふっ、いいよ…。ジンらしくなくて全然いい。」


「嫉妬なんて、私だけがするものだと思ってた…。ジンはかっこいいし…、人気もあるから…」


「嫉妬、したのか…?」

 嬉しそうに聞いてくるジンに、なんか恥ずかしくなる

「べっ、べつに、少しだけだけど…」


  本当はいっぱいだけど…



「…好きだ」


  突然頭上から降ってくる言葉に、上を向くと

 以外と近い位置にあるジンの顔。

「シイナしかいなかった世界に、いつのまにかお前が入ってきて、いつも俺の心をかきまわす…」


「いつもお前を目で追ってて、男といるところを見れば、相手の男を殺そうかと思った…。」


「お前がいなくなって、お前がどれだけ俺に必要か気づいた。それ以上に、お前に会いたかった、お前に触れたかった。」


  顔にかかる私の髪を、優しく耳にかける

「だから俺も、今こうやってお前に触れてることが夢みてぇだ。」

「でも、夢って思いたくねぇんだよ…。これからもこうやってお前と一緒に過ごしたい。」

「お前の考えてることは言葉にしてくれねぇとわかんねぇから、お前の嫌がることをしちまうかもしれねぇ。」

「それでも、俺はお前といてぇ。お前と一緒に過ごしてぇ。」


「それじゃだめか?…お前を幸せにする自身もねぇし、だからって、お前を離してやれねぇ。」

「けど、お前がしてぇと思ったことはしてやりてぇと思うし、お前を幸せにしてやりてぇと思う。」


「証拠なんてねぇけど、それじゃだめか…?」