魔女に恋した王獣






「あいたかった…」


 やめて、貴方のために離れたのに…

 そんなこと言われたら、もう離れられなくなっちゃう…


「はなして…」

 
  ジンの胸を押し返す

 だけどやっぱりジンの力にはかなうわけなくて、ただジンの胸をたたく


「はなしてよっ…」

  
「リノ…頼む、いなくならないでくれ…。」


  私を抱き締める腕に力が入る

「なんでよっ…
あれほど私を避けたくせにっ…」


「わるい…」


「寂しかったんだからっ、ジンのにおいがするのに部屋にいるのは私だけで…」


「わるい…」


「一人で寝れなかったんだからっ…」


「わるい…」


 ジンのいない部屋で寝ることなんてできなかった。

 ずっとジンに触れたかった


 ずっとジンに

「キスしたかったっ…」


  グイっ

 勢いよく引かれた腕。唇にあたる感触



「…悪かった。」


  貴方を忘れなきゃいけないと思った。

  貴方の側から離れなきゃいけないと思った


 でも、いつまでたっても貴方への想いをなくすことはできなくて、

 いつも周りの人に貴方を重ねていた