魔女に恋した王獣





「そこにジンいる?」


「いないの?」


「あっ、じゃあジンが帰ってきたら風邪薬渡してくれない?」


  進めていた足を止める

 
 朝起きたら、確かに身体がだるかった

今だって、少しふらふらしてる

 だけど、誰も気づかなかった


  俺自身、風邪ひいてるなんて気づいてなかった



  なのに、お前は写真を見ただけでわかんのか…?



   なぁ、リノ…


 お前を力いっぱい抱き締めてぇ

 
「あっ、粉薬と玉薬あるんだけどジン粉薬だめだから、玉薬渡してくれない?」


「うん、ありがと。」




「…えっ。…ジンが…」


 
   ゆっくりと振り向くお前


 大きな目が、ますます大きく見開かれ、俺をその瞳にとらえる






「ジン…」