魔女に恋した王獣





  
 防砂堤から海を眺めるひとつの背中


 その背中は一年前とはかわらず、すらりとのびていた

 その背中に被さるようにして下ろされている髪は、一年前よりも少しのびていた


 
  少しずつその背中に近づいていく、


 ピロリンッ

電子音が聞こえた後、暗闇で光ったもの。

 それは、携帯

 
 そして、その携帯を耳に当てたお前



「もしもし、マオ?」


  さっきの男に電話をかけているお前

 呼び捨てにするほどなかいいのか…?

  
「写真、見たよ。それでね…」


  俺の側から離れたくせに…、なんで、俺の写真なんか欲しがるんだよ…

 
 ほんとは…


  すげぇ、うれしい…。

写真を欲しがるほど、俺のこと気にしてんだろ…

 俺のこと心配してんだろ…


 俺のこと好きなんだろ…


 なら、なんで離れんだよ…