魔女に恋した王獣





「リノ…」

「あのさっ、」


  そんな声で私を呼ばないで…

 辛いの…
これ以上貴方に触れられないのが…。

  もう、寂しい想いはしたくないから…


「今日…、出かけてくる…。」


「……。」


「あっ、もしお腹へったらそこの棚にインスタントあるから、温めて食べて」

「それから、もし怪我とかしたらそこの引き出しに絆創膏とかいれてあるから…」

「あと…」

「りの…。お前がやってくれるだろ、飯をつくるのも、怪我の手当てをするのも」


  なんで。なんで今だけそんなこと言うの

どうせ触れさせてくれないくせに…
ご飯だって、一緒に食べてくれなかったくせに…
怪我の手当てだって、ジンが触らせてくれないからできないよ…

 なのに、なんで今さらそんなこと言うの…


 もう…





        遅いよ…。