魔女に恋した王獣









 ガチャ


 
 いつもはあの人がいるためビクビクしながら入る家も、今では楽に入れる

 
 自分の部屋に行けば、本当に部屋かと思うほどなにもない自分の部屋

 近くにあった鞄にとりあえず服を詰める



『明日、シイナが帰ってくる』

その人が帰って来ようが、私には関係ない

ただ今までどおりに過ごすだけ
 
 それに、今ジンの彼女は私。やっと掴んだ居場所を簡単に手放す訳にはいかない


 ジンだってまさか私を追い出すはずもない


 こんなことを思う自分が、どれほど哀れか手を取るようにわかる

 でも、こうするしかない。


 それほどまでに今の生活を手放したくない


 そんな自分にため息を吐きながら、家をでる