------家に到着してから



私は自分のベッドに
勢い良く倒れこんだ。



バッグはそのそばにボトッと落として


力なくベッドに沈み込む。





信じられない出来事が
ポン、ポンと頭に蘇る。




朝起きたら目の前に 部長。

…あの美しい顔立ち
1年一緒に仕事してきて
同じ部署の私が間違えるはずがない。




(……それに…)







『朝から頭に響くだろアホ!!』

『うるせぇな…』

『そうだ。覚えてんじゃねェか。』






……あの声も、間違いなく部長…






………ん?

あれ、待って待って。



何か違和感。


…??







(………ん?)







『朝から頭に響くだろアホ!!』

『うるせぇな…』

『そうだ。覚えてんじゃねェか。』






私はもう1度 部長の言葉を思い出す。




………ん?






アホ?
うるせぇ?
じゃねェか?






「………。」







ま、まさか…








(で、でも間違いない…!
だってさっきだって私にこんな感じで…!)









『何なら、今ここで思い出させてやろうか?』










(…え、ぇええええぇえ?!?!)







混乱する私が
また混乱するような発見を1つ。



それは…







「部長って…あれが本、性…?」






表の彼と 裏の彼に気づいてしまった。



私はそれを自覚して
また顔を引きつらせる。





知られたからにはきっと
ただじゃおかないだろう、なぁ……。




………。








「…や、ヤバくないすかこれ…。」







ベッドの上で

私は血の気が引く感覚がした。