「紹介してよ、どんな子なのか気になんじゃん。」






何も考えていなさそうな軽い口調で
その言葉を述べられる。


俺はその言葉に眉を寄せながら
口を開いた。






「嫌だ。」






即答。


当たり前だろ。

何でサユリをこいつに紹介しないといけないんだよ。
危険しか考えられない。





(まぁあいつのことだから
タイガみたいなタイプに揺らぐとは思えないが…)





わざわざ連れて行って利益を感じない。








「何で!いいだろー飲みにくらい!」

「嫌だ。意味がないだろ。」

「ある!俺が会いたい!」

「尚更嫌だ。」






俺がそう言えば
タイガはえー!!?と納得いかない様子で
俺にねばってくる。



いくら交渉しても無駄だ。


俺は連れて行かない。







「酔ったお前のタチの悪さ分かってて連れて行けるか。」




---サユリも結構危ないラインだし。





「…そう言う律樹だって酒癖悪ぃだろ。」





俺の言葉にそう言ったタイガ。

まぁ人に言えるほど酒が強いわけでは確かに無ェけど…





(少なくともお前ら2人よりはしっかりしてるっての---。)





そう思いながら

何だかんだ俺のねばり勝ちで



渋々引いたタイガ。







「じゃあ俺が誰か女の子連れてってやるー!」

「あぁ?また騒がしいやつ連れてきたら帰るぞ。」

「分かってる分かってる。
大丈夫、俺にもちゃんとした女友達いるから!」






そう自信満々にケラケラ笑いながら
じゃあまたなー
と電話を切ったタイガ。




…はぁ、何か気が進まねェ。







(女はあいつ1人で十分足りてんだけどな…。)