俺様な狼上司に迫られて!






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(……よりによって何で…。)






着替え終わってから
私は洗面所にある鏡を見て思う。


よりによって


よりによってあの部長が持ってきた服が

結構な女子めの服だったからだ。






「…これ見せなきゃダメかな…。」






その服は

大きめの花柄の
シフォン生地のワンピースだった。


いや別にな、こういう系統着ないわけじゃねぇんだよ。




でもさ…





(これ絶対 部長の知ってる私のキャラと違うんだよなぁ…。)





部長の知ってる私は ほら

酒好きの男勝りな
女っ気のない人間だろ?



スカートよりもパンツ、

ピンクよりは青、

小動物か野獣かと聞かれたら…
野獣、みたいな。





(なのにこの姿見たら
絶対笑いそうだなあの人…。)





ただでさえ酔ってテンション高いんだ

『似合わねぇなお前!』
とか
『何だそれ!誰だよお前!』

とか何とか言われそうだなぁ〜。







「おーい、まだ着替え終わんねェのか?」






-----ビクッ!





そんなことを考えながら悩んでいれば
リビングの方で部長が呼んでくる。


私は「もう行きますー!」と返事をして


ゆっくり深呼吸をして
バチッ!と頬を叩いて気合を入れる。





笑われたら笑われただ!

その時は何とか言い返してやる!



と覚悟を決めて リビングへ戻る。






-----…ガチャッ






「お、お待たせしました。」

「んだよ、結構遅かったじゃ…
ねェ、か……。」





私の声に
部長が何だよ、と言いながら少し口角をあげたまま振り返れば


私の姿を見て 言葉を詰まらせる。






(うっ…ほらやっぱり…。)






だから言わんこっちゃないだろー!!

と内心部長を恨みながら
恥ずかし気にその場に立っていた。





「………。」







まじまじと
私を凝視するように見つめる部長。

何も言わず、
ただ目を見開いて固まっていた。






(……沈黙が辛い…。)






せめて何とか言ってくれれば
ヤケクソにも返せんのに…

と思いながら
部長の様子を見る。






「…あの……。」






でもまぁすぐに
耐えられなくなってこう話しかけちゃったんだけど。



私の声にハッとしたのか

顔を上げて私と目が合う部長。






「っ!あ、いや……その…。」






目がバチっと合うと
そう口籠らせながら 声を発する部長。


酔っているせいか、見たことないこと慌てぶりに
私は少し驚く。





「……っ、
や、やっぱりさっきのに着替えてこい!」






そして

そんなのもつかの間に
部長からそう言う声がハッキリ聞こえた。






「--------!!」





-------ズキッ!






(あ、れ……。)






何かその言葉に

心がグサっとなった気がした。